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ひいい

 投稿者:管理人  投稿日:2013年 9月12日(木)19時33分28秒
  さらに使いにくくなってる!  
 

恋人はサンタクロース 66

 投稿者:管理人  投稿日:2008年 3月29日(土)03時58分29秒
  何が起きたのかは分からないけれど、ハーレイの身に何かがあったことだけは感じる。
血の気の失せた顔でブルーは唇を噛み締めた。
キースはそんな状態のブルーに声をかけることを躊躇い、保健室を覗きこんで硬直しているマツカを呼びつけた。
「マツカ!ブルーを部屋に送ってやれ、それから夕食は部屋に持っていって一緒に食べろ」
「……いらない……それに一人で戻れるよ……ごめんね、マツカ」
心此処に在らずという力のない声でブルーはキースの申し出を断り、上着を手にすると廊下を寮の方へと歩き出した。
「キースは僕達の事誰かに聞いたの?」
すれ違いざま硬い声がキースに突き刺さる。
「……すまん、学校のマザーコンピューターにハッキングした。もちろん他には言ってない」
「……そう……」
曖昧な微笑みを残して、ブルーはそのまま立ち去って行った。
 

恋人はサンタクロース 65

 投稿者:管理人  投稿日:2008年 2月 6日(水)00時56分18秒
  身構えたキースの横を、空気を掠めて拳が壁に叩き付けられる。
「誰を好きになろうと、それはブルーの自由だろう。選ぶのは彼だ」
苦々しく眉を寄せたハーレイは、それだけを振り絞るように言うとまた背を向けた。
「なんで、あんな森の奥でブルーを見つけたんだ?普段は誰も立ち入らない場所だぞ?」
「……それは……」
睨みつけるハーレイの眼にもキースは動じる事無く、畳み掛ける。
「仲間に呼ばれたんだな?森の奥は人の住まう世界じゃない。あそこから先は……」
「止めろ」
「半獣人が住む世界だ。だから貴様も森に呼ばれたんだろう」
「止めろッ!!」
叫び声と共に突風がドアと窓から吹き込み、一瞬皆の視界を遮る。
「ハーレイ!」
保健室から飛び出したブルーの前には、呆然とするキースの姿しかなかった。
 

恋人はサンタクロース 64

 投稿者:葵アルト  投稿日:2008年 2月 3日(日)21時14分15秒
   ドアの向こうから見つめるハーレイは、キュッと唇を噛みしめ保健室の中に入ることも、立ち去ることも出来ずにいた。
 ブルーに浮かんでいたはにかんだ笑みは消えずに凍り付いてしまった。
 キースに向けられたその笑みを、見ていられないとばかりに視線が逸らされる。
 何か言おうとしているハーレイの唇。
 だが音を発することなく踵が返された。
「まっ………」
 待ってと言おうとしたが、喉がカラカラになって声が出なかった。
 慌てて追おうとして身を起こせば、カップからココアが零れてしまう。
 慌ててマツカがブルーの手を拭こうとしたが、構わずベッドから抜け出そうとした。
 そのブルーをキースが止める。
「行くな。ここにいろ」
 ブルーが首を振ると、
「マツカ、ブルーを押さえておけ」
「は…はいっ」
 保健室を飛び出したキースは歩き去ろうとするハーレイの背に声をかけた。
「いいのか?」
 鋭い声にハーレイの足が止まる。
「いいのか? このままで」
 背中を向けたままのハーレイの手が拳を作った。
 

恋人はサンタクロース 63

 投稿者:管理人  投稿日:2008年 2月 2日(土)07時20分9秒
  「何やっているんだ!まったくしっかりしているようで抜けているんだから!」
いきなりキースに怒鳴られて、マツカは思わず首をすくめ、ブルーは瞬きを繰り返す。
「林の先は魔法の森だから近付かないようにと、校長先生にも注意されているだろう」
キースの苛立ちはブルーに向いていると知り、マツカはそっと吐息を洩らす。先程の話しを確認する暇は消えてしまったが、今はそれでいいような気がした。
「あ、そう言えば聞いた気もする」
まだ気持ちを完全に静めていなかったブルーは、ついキースに対して決まり悪そうなはにかんだ笑みを、頬を赤らめたまま向けてしまった。
先に気付いたマツカが慌てて腕を引いたが、間に合わなかった。
「……ハーレイ……?」
やはり心配して見舞いに来たのだろう、ハーレイがドアの向こうから白い顔でこちらを見ていた。
 

恋人はサンタクロース 62

 投稿者:葵アルト  投稿日:2008年 1月31日(木)23時54分29秒
   ブルーの突然の告白にマツカの思考は停止してしまう。
 異母兄弟?
 誰と誰が?
 恋してしまうって?
 問いばかりが頭の中をぐるぐると回る。
「マツカ?」
「………あ…」
 困惑した表情のマツカを見たブルーは、それを良くない方に捕らえてしまった。
「……ごめん。いきなりこんな話、驚くよね」
 カップを持つブルーの手が震えている。
 何か言わなくちゃと思うが、言葉が出てこない。
 伏せた銀の睫毛が揺れ、引いたはずの感情がまた高ぶってきているのが分かった。
「驚いたけど! 驚いたけど…そういうことだって…」
 言いかけた時、保健室のドアが開き、キースが足早に入ってきた。
 

恋人はサンタクロース 61

 投稿者:管理人  投稿日:2008年 1月25日(金)02時17分50秒
  ひとしきり泣いてブルーの感情が収まった頃、マツカは温め直したココアのカップを持って今来たというようにその横に立った。
いつの間にかブルーは保健室のベッドに寝かされていた。
「はい、ココア。熱いから気を付けて下さいね」
「ありがとう……」
授業中なのか校舎の中は静かなものだ。森の中で気を失っていたんですよ、と心配そうなマツカにブルーは眼を伏せる。
「ハーレイが見つけて、それは大騒ぎでした。ジョミーもフィシスも泣き出すし」
「……ハーレイが……?」
ブルーは胸を突かれたような表情で、マツカを見て、また両手で持ったカップに視線を落とす。
「マツカ……異母兄弟を好きになったらどうする……?」
「え?」
「僕の兄さんなんだって……ずっと探していたんだ……でも、あんまり思いつめ過ぎて恋してしまったんだ……僕は……」
 

恋人はサンタクロース 60

 投稿者:管理人  投稿日:2008年 1月 7日(月)12時52分32秒
  必死の叫びにトナカイの頭が振り向く。
哀しそうな琥珀色の瞳で、息を弾ませるブルーを見つめていた。
「行かないで……僕を独りにしないで……!」
顔を歪ませるブルーに物言いたげな瞳で、それでもくるりと大きな身体を返すともう振りかえることもせず、樹々の間に溶けるように消えてしまった。

「ハーレイ!」

飛び起きたブルーは堪らず両手で顔を覆うと嗚咽を零した。
恐ろしいほどの孤独がヒシヒシと、背中へ肩へとのしかかってくる。
叫び声に驚いたマツカがマグカップを手に、すぐ横で立ちすくんでいるのにも気付かないほどだった。
 

恋人はサンタクロース 59

 投稿者:管理人  投稿日:2008年 1月 6日(日)20時14分29秒
  うっすらと白い雪が積もった地面の上に、気を配りながら足先を下ろし、辺りを見回す。
なんて気が浄化した場所なんだろう。
心が洗われていくような感覚に、我知らずため息が洩れた。
その感動と興奮で上擦った頬を、トナカイがぺろぺろと舐める。
「やだ、ハーレイ、くすぐったいよ」
また首に抱きつこうとして、ふいと離れるトナカイにハッと顔を上げた。
森の中からたくさんの丸い眼がこちらを見守っていた。同じように白い身体のトナカイ達が何頭も、森の樹々の間から呼ぶように見つめている。
「……っ、ハーレイ!」
嫌な予感に固い声で叫び、ブルーはトナカイの歩を踏み出した背を掴もうとした。
「行っちゃダメだ……!行かないで!!」
 

恋人はサンタクロース 58

 投稿者:葵アルト  投稿日:2008年 1月 6日(日)08時16分56秒
   2、3歩、歩けばブルーは落とされないようにと首にしがみつく。
 それを確認すると、トナカイは緩やかにそして次第に疾走する。
 風を切り、いつしか天に駆け上がってしまいそうな感覚に、恐いよりも楽しさを感じてしまう。
 ―――このままずっと遠くに、二人だけの場所に行ってしまえればいいのに。
 そんなことを願いながら、温かく柔らかで優しい背に揺られていた。
 辿り着いたのは裏庭から続く林の奥の森の奥。
 誰も足を踏み入れたことがないその場所は静謐な空気に満たされていた。
 

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